間宮兄弟 (小学館文庫)

間宮兄弟 (小学館文庫)

兄弟の何気ない日常に対する江國さんの細かい描写が素晴らしかった。彼らの生活は、気の許せる相手と一緒に毎日を丁寧に、楽しく過ごせるなら、その相手が誰でもいいじゃないか、恋人や結婚相手なんて必要ないじゃないか、と思わせてくれる。色恋沙汰が多かったのは、彼らの淡々とした生活に水を差しているようでちょっと残念な気がしたけど、そういう痛々しさがなければ人間味が欠けていたような気もする。映画を見た時も思ったけど本当に羨ましい兄弟。いつまでも変わらない関係って憧れる。
ミサコ、三十八歳 (ハルキ文庫)

ミサコ、三十八歳 (ハルキ文庫)

主人公のあ〜ちゃんとの日常はほほえましいけど、やっぱり哀しいと思ってしまう。言いようのない虚しさや、気苦労が絶えないところとか読んでいて複雑な気持ちになる。使えないバイトくんとのやりとりは読んでいるこっちもイラっとしてしまった。私もどちらかというと自立した生き方が目標だけど、頑張っても分かってもらえなかったり嫌な扱われ方をすると思うと心が揺らぐなあ。この本では最終的にはめでたしめでたしだったけど、その後主人公がどうなったかなんて想像もつかない。
しかし先週の中2ブームはどこへやら、今度は2冊連続で三十路過ぎの人々の生活を描いた小説で一気に年をとった気分に。。